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「ジェンダーの平等は、全ての人にとって心地いい社会を作り出す」

こんにちは!Lean In Waseda メンバーの、江梨香、新菜、そして理沙子です!今回は早稲田大学で准教授を務める、グレッグ・ドボルザーク博士にインタビューをしました!

【プロフィール】

グレッグ・ドボルザーク博士

ハワイ大学マノア校で修士号を取得後、オーストラリア国立大学で博士号を取得する。現在は早稲田大学国際教養学部、そして早稲田大学国際コミュニケーション研究科で、太平洋・アジア歴史学、カルチュラルスタディーズを専門とする、准教授を務める。一橋大学でも、レクチャーを行う。生活と仕事をミクロネシア連邦、日本、アメリカ合衆国で過ごし、戦争の記憶、軍国主義、脱植民地化、ジェンダー、セクシュアリティー、そして美術などのテーマを研究している。2018年には、Coral and Concrete: Remembering Kwajalein Atoll between Japan, America, and the Marshall Islands をハワイ大学出版会から出版する予定。現代美術の学芸員も務め、最近では、ホノルルビエンナーレ2017の館長顧問 として 従事 した。

ジェンダーに興味を持ったきっかけは何ですか?

まず、ジェンダーは日々の生活の中で常に起きていることです。多くの人にとって、自分という存在が社会の「常識」に当てはまらない場合以外、あまり気にしないテーマです。

私は育った環境の中で「常識」とされていた「男らしさ」に、当てはまらない子供でした。特に目立っていたわけではありませんが、スポーツもやっていませんでしたし、他の男の子がやっていることには参加しませんでした。自分が何をすべきなのか、なぜ他人が私のことをおかしいと思うのか、その理由が理解できませんでした。私と同じ様な悩みを持つ人は、周りにたくさんいました。クラスで人気者になれず、隅に追いやられてしまうような男の子や女の子達です。

私はちょうど女性活躍が促進され始めた時代に育ち、母親はそういった活動を支援する一人でした。

母はアクティブに様々な活動に携わり、面白そうなことを常に行っている人でした。そのせいで、友達の母親が「主婦」という世間的な役割を果たし、パイを焼くなど習慣的なことをしていることが、私には不思議に思えました。決して主婦であることが、よくないとは思っていません。ただ、私がそれまで見てきた女性は強かったため、弱く静かでいることが期待されている女性を見た時は、少し悲しく思いました。私の母親は弱くもなく、静かでもありませんでした。母は外で働くだけでなく、弟が幼い時は家族と過ごす時間も大切にしていました。父も私達家族を大切にしていました。母はアメリカ大統領のようなリーダーを目指していたわけではありませんが、自立心を持った女性でした。私も気づかぬうちに、そんな母のありのままの姿を尊敬していました。母だけでなく、人生を通じて彼女達のあるべき姿を教えてくれた女性、日本の女性、先住民族の女性、有色人種の女性は、たくさんいました。彼女たちの人生の教えを通じて、女性は強く、そして強くいるべきだと思うようになりました。

子供の頃の経験を通じて、いつも私は考えていました。「なぜ女性は(男性と)同じことする権利や意見を持ってはいけないのだろうか。なぜ男性はスポーツをして、殴り合いをし、変な話し方をし、距離を取らなくてはならないのか。」

年を取るにつれて、この様なことを不自然に感じるようになりました。ジェンダーは、常に私の意識に影響を与えていました。私は人生のほとんどをアメリカの外、マーシャル諸島で過ごしました。そのために、アメリカ軍事基地に住んでいる白人達と、マーシャルの現地の人々が「ジェンダー」をどのように扱うか、その違いを強く意識するようになりました。マーシャル諸島の文化では、女性の意見が尊敬され、土地は女性に受け継がれました。マーシャル諸島の女性は、大きな役割を任されていたのです。

日本に来る前まで、日本の女性は家に閉じ込められ、男性に従順だという偏見を耳にしていました。ですが実際に日本で生活して、その様な事はあまりみませんでした。確かに、地方ではそのような偏見が現実に起きることもありました。しかし、女性は家庭をコントロールしている人でもありました。それなのに、一緒に飲んでいた友達の父、所謂おじちゃんが、『ビールをついでやれ』『あれをやれ』『これをやれ』と、自分の妻や娘達に、私の世話をする様に命じている人も少なくありませんでした。これに対し、少し不快な気持ちになりましたが、これらの一連の行為が文化であることを知っていましたし、どこまで意見を言っていいのか分かりませんでした。できる時はお皿洗いなど手伝いましたが、多くの女性はそれに対して笑い、やめさせようとしました。この経験を経て、日本ではこれが普通だということを理解する様になりました。

日本に来てからこういうことを経験し、よりジェンダーについて興味を持ちました。周りの人に比べて、優遇されやすい権利を持つ人もいれば、権利を得られずに抑圧される人もいました。彼女達は意見を言うことができず、高い声で話すことを強要され、「美しく」あることが期待されていました。アメリカで同じような文化が無い訳ではありませんが、(マーシャル諸島、アメリカという)違う文化に住んでいた経験があったからこそ、目立ちました。

そのうちにセクシャリティにも、様々な理由から興味を持つようになりました。自分が「普通」だと思っていたことが他人にとっては全く違い、彼らにとっては脅迫であり、異質であり、恐るべきことでもある。なぜ他人が恐れるのか理解できず、そしてこういう状況を見るのは、本当につらかった。私自身はそんなにいじめは受けてきませんでしたが、他人が暴力的になれることを知り、恐ろしいと感じました。

私の仕事内容には、常にジェンダー学の要素がありましたが、これまでは植民地としての太平洋諸島や戦争の歴史に関する研究が多かったので、あまり(ジェンダー学を)意識したことがありませんでした。しかし、これらは実際ジェンダーと関係があるテーマです。1995年~96年に執筆した学士卒論では、日本における男らしさについて書きました。卒論執筆のために、早稲田で人々にインタビューをしたことを覚えています。その後、博士号をオーストラリア国立大学のジェンダーリレーションセンターで取得しました。こういう背景から、私は人生において、常にジェンダーについて学び、考えてきました。ジェンダーが、ジェンダーがと言い続ける必要はないと思いますが、実際、社会の全てがジェンダー化されているのです。なので、何事も当たり前だと思わないことが大切だと考えています。

日本の働く環境で、女性の社会進出が、十分に話し合われていると思いますか?

全く思いません。日本の社会は、多くの社会と同様、heteronormative(=男女という2つの性別が当たり前だと思うこと)で、hetero-patriarchal (=性別は2つしかなく、男性が優位な社会)で、性差別的な社会だと言えます。決して日本を批判しようとしているわけではありませんし、日本人ではない人として言っているわけでもありません。私は日本の永住者でもあり、人生のほとんどを日本で暮らしてきたため、日本のジェンダーというテーマは、私にも関係しています。私は日本と日本人を愛しているので、すべての人がもっと平等に扱われる社会になってほしいです。多くの日本人女性から言われたことを、言っているだけです。それだけでなく、私は女性が周縁化されている状況を、実際に何度も見てきました。

日本の女性は、先に話すことも、仕事場で意見が聞かれることもありません。また、彼女達は男性と同じ機会や給料を与えられていません。男女参画が推進されている大学で働けることは幸運ですが、それでも女性が産休・育休を取得する時は、法律で賃金が減らされますね。そして、男性は世間一般的に、育休をとることを推奨されていません。反対に、多くの女性は結婚すると仕事を辞めることが期待されており、女性は産休・育休の後、職場に復帰しても、以前より立場は下がります。一番納得がいかないのは、女性がこれらを受け入れてしまっている、もしくはそのようになってしまっていることです。これは、フェアじゃないですよね。

だから、女性は男性と同じ権利は与えられていないですし、発言することも、聞くことも歓迎されていないと思います。特に、職場で目にすることが多いですね。以前、日本政府の事務局で働いていた時のことですが、大半の女性は例のベストが付いた制服を着ていて、お茶くみなどをしていました。彼女達は若くて美しいということが期待され、目の保養として扱われていました。ですが、私にとって彼女達はそのような対象ではありません。第一に、このような状況に魅力を抱かなかったのと、そこには異性愛のセクシャルなものを感じたからです。職場にも関わらず、年配男性が若い女性の存在に喜んでいる状況を、不快に思いました。企業や政府の文化に囲まれて働くことから、様々なことを学びました。私がこの状況に逆らえば、仕事をなくしてしまう可能性があると感じました。例えば、男性と一緒に飲みに行く習慣から、飲みに行く場所、そして女性が給仕をする様子。特に居心地が悪かった点は、このような扱われ方を女性が嫌がっていたにも関わらず、巻き込まれていたことです。キャバクラやバーに行く男性達の、女性に対する話し方や、彼らが彼女達を物としかみていない扱い方。これらを直に目の当たりにしました。このような状況に、私は性的な魅力も感じませんでしたし、求めているものでもありませんでした。ですが、権力構造の中で男性という身分でいるがために、私には断ることができませんでした。観察してみたいという、興味深さもありました。

職場での環境もそうですが、社会的に女性が周縁化される、特に権力の中心でそういったことが起きることも、実際に体験しました。外務省の管轄で、宮崎で行われたG8サミットプロモーションカウンシルに携わり、県庁幹部や大使とあった時も、女性は権力に抑圧された立ち位置でした。本当に、不思議な感覚でした。女性が男性の鞄持ちをしていて、それが彼女の唯一の仕事だったのです。彼女が聡明で、面白い体験を今までにしていて、そして素晴らしい考えを持っていることは明らかでした。ですが、それらの考えを発言することは、彼女の仕事ではないのです。女性たちの意見は、真剣にとらえられていないのです

男性が働き女性が家庭を守るという伝統的な家族構成を変え、女性活躍を支援するために、どのようなことができると思いますか?

ジェンダーに関するいくつかのことは、制度化されてしまっています。ですが、制度をぶち壊すことはできませんよね。また、フェミニズムを勘違いしている人も多いと思います。フェミニズムは存在する男性優位制度を攻撃しようとしているわけではない。フェミニズムとは、社会を内部から変えようとし、権力を考え直し、そして権力格差を指摘することを指します。なので、制度の中の人々から、変えていく必要があると思います。女性だけでなく、男性を含む全ての人が一緒に立ち上がるべきです。男性も男女参画の推進において、重要な役目を担っていることを自覚し、女性、そしてセクシュアルとジェンダーマイノリティーの味方(ally)にならなければいけません。私達は抑圧的な男女格差の構造を、沈黙を保ち一緒に行動を起こさないことで、正常化もしくは促進しているのです。

更に付け加えると、女性の意見や考えの重要性は、日本の学校であまり扱われていません。女性の学力が男性より高くなっており、女性の方がより勉強することが明らかになっています。ですが、女性が成功することは期待されておらず、時には結婚するまで親の所有物として扱われることもあります。地方にいくと、多くの女性は良い主婦になるための教育を受けさせられています。彼女たちはこれらを内面化し、自分は看護婦や保育士や主婦になるべきだと信じ込んでしまうのです。看護師や保育士、主婦が価値のない仕事だとは思っていません。ただ、女性も重要な社会貢献をできることが、あまり教えられていないと感じます。

もちろん、いい大学に行き、STEM教育を受けることができる女性にとっては、また状況が異なります。ただ、ほとんどの女性は今も「美しく、女性らしく」など、偏ったことをしなくてはいけない状況にあると思います。そして多くの場合、彼女達はそれらを受け入れなくてはいけないと思い、承諾するのです。本音では、承諾したくない場合でも。だからこそ、地方の教育カリキュラムにジェンダーの視点を取り込むことは、重要だと考えます。一歩踏み出す機会を作るためにも、男女参画について考えるきっかけを増やすためにも。

日本でジェンダーの概念が広まらないのは、ジェンダーに対して日本特有のアレルギー反応があるからだと思います。男女平等や、差別なくそう、いじめ排除などという話は、最近日本でよく聞く言葉だと思います。もちろん大事なことですが、ジェンダー学で大切なのは、男女平等などだけではないはずです。なぜなら、ジェンダー、そしてジェンダー学は、全ての人に関わるものだからです。ジェンダーは、単なる福祉問題ではありません。

女性学に限らず、女性の権利そして女性の活躍推進に関わる者が、女性ばかりであり、しかも「ある一定の種類の」女性のみが行っている、という風に捉えられると、急にフェミニスト=女性だけによる女性のもの、というように、変な感じになりますよね。私が教えるジェンダー学で行おうとしていることは、ジェンダー学を主流の考えにさせることです。もう一度言いますが、ジェンダーは、全ての人に関係あるものです。女性の権利や、LGBTQの権利などに縛られず、全ての人です。私たちはみなジェンダーの一部であり、セクシュアリティーの一部でもあります。人は女性から生まれ、何か大きな、全体的なものにつながっていて、その繋がりを切ることはできません。

それでも、男性にこういう話をすると、「僕たちは母親から生まれたかもしれないけど、関係ない」とか、「女性と付き合うけど、関係ない」や、「この人たちに権利はそんなにないかもしれないけど、まあそういうものだからしかたないよね」という意見を耳にします。だからこそ、このような覇権的な考えを打破するための戦略を考える必要があると思いますし、地球上の全ての人、女性だけでなく本当に全ての人が、このジェンダーによる不平等に抑圧されていることを、指摘していくべきです。

人々が理解しにくい他の理由として、共感しやすいようにこの問題が提示されていないことが挙げられます。だから、そういった人々を非難するより、システムが人々を周縁化するようにできていることを指摘していくべきです。全員が抑圧されている知識を持って、制度に影響を与えることで、人々が同盟となり、「私はこのために立ち上がる」と発信していくきっかけになると思います。

では、先生は教育を変えることがそういった目的につながると信じでいらっしゃるのですか?

教育は、解決に繋がる一つの道です。もう一つは、企業や政府のカルチャーです。普段は優秀で、聡明な意見を発する人が、違う状況で信じられないような発言や行動を行うことが、日本ではよくあります。彼らは暴力やパワーハラスメントを目の当たりにし、ただ見ているだけで何もしないのです。日本に限ったことではありませんが、日本らしい、独特な文化だと思います。人々は静かに座るだけで、何も行動しない状況。何か怒るべきことが起きても、まるでそれがなんでもないかのように、ポーカーフェイスを保っている。ただそのまま、事を進めるのです。

学生たちも、いずれは会社に入ります。彼らの多くは、女性が迫害されていたり、得るべき機会がなぜか与えられなかったり、正統な理由もないのに優秀じゃないなど誰かがコメントしたり、性的に見られたり、あるいは主観と偏見で仕事を与えたり与えられなかったりしても、何もしないでしょう。それを、私達は変えなくてはいけません。

ジェンダーのトピックに既に興味を持っている人に対して、どう行動すべきかを伝えるのも大事ですが、色々な人を巻き込み、 ally(味方、仲間)になってもらうことも大事です。ただ、立っているだけでは駄目です。行動にすることによって、現状を変えることができるのです。

最近は、日本でももっと多くの人々が女性の権利や、平等、そして若い女性が様々な事に挑戦する姿勢を支援しています。ジェンダーに対する姿勢が、変わってきていると実感します。ただ、先ほどの質問にもあったように、変わる速度が遅いことも事実です。なぜなら、日本人の多くが、日本は伝統的、保守的だという考えに賛同してしまっているからです。本当は、そんなことありませんよ。だって、日本ほど変化が早い国は、世界中どこを探してもないんですから。

過去100年間の国の歴史で、ここまで変化を遂げた国は日本以外、ほぼありません。こんなに変化がはやいのに、それではなぜ、日本が伝統的、保守的だと言われるのでしょうか。全く理解できませんね。多くの保守的な思想は、明治時代のものに基づいていますが、その時代も最近のことですよね。アメリカでも起きますが、人々は昔ながらの家族の価値に引きずられがちと言います。でも、実際は昔ながらでも、なんでもないんですよ!家制度だって、最近の発明です。私達がするべきことは、昔を懐かしむことでも、日本は伝統的だと決めつけることでもなく、当たり前とされていることを、疑うことです。質問を立て、周りの人にも疑うよう促すことが、最重要です。

男女格差について教えるだけでなく、どのように発言・行動していくべきかを教えることも、重要だということでしょうか?

そうですね。どのように発言すべきか、社会にどのように参加するべきかを教えることが、重要だと思います。そして民主社会で、これは欠くことのできないことです。しかし、最近では新自由主義の影響で、発言をせず、従順な消費者を好む国のリーダーもいます。

大学の役目は、若い人々に社会での役割を教え、その知恵を使って彼らが世界を良くし、政治は実は個人の経験から生まれるものだと気づいてもらうことだと信じています。大学で様々な人に出会い、このようななかなか解決できない難しい課題について考えるきっかけになる、大切な場所となるのです。ですが残念なことに、社会で最も経済的に恵まれている人々しか、良い教育を受けられないことがほとんどです。

そしてこの特権が、また別の課題を生み出すのです。その特権、知識、識字能力をどのように使い、同じ教育を受けられない人々にどう伝えるのでしょうか。難しい本を読まない人や、テレビで放送されているものに疑問を持たずに信じてしまう人などにどう話せばいいのでしょうか。そしてこのテーマについてどうやって周りの人々と話し、ポジティブな変化へと繋げて行くのでしょう?

発言を促すことは、プロセスであり、1日でできるものではありません。彼らと、このプロセスについて、どのように交渉すればいいのか。日頃から、この課題について考えています。彼らにとってショックになりすぎず、消化できるように、自然な形で次第に影響するためには、どうすればいいのでしょうか。その方法を考えることが、重要だと思います。

女性がリーンインするために、男性はどのような支援ができますか?

例えば、私はジェンダー学を教える時、学生に配るシラバスに必ずこれら(ジェンダー学のテーマ)は全て男性にも関連していると、明示しています。男女平等は全ての人にメリットをもたらすということを、明確にするべきだと思います。そしてジェンダーの平等は、全ての人にとって心地いい社会を作り出す。

男性も、格差によって苦しんでいます。ですが、彼らは囲われている事にも気づいていないのです。男性の多くは、女性の権利に関わることを、余分な作業や、要らない重荷としか捉えていないと思います。特に、「私達は女性で、こんなプロジェクトをやってるんだけど、もしあなたが興味あるなら、参加して女性を支援しませんか」という風に提示されるとね。男性も興味を持つべきだし、行動するべきですが、彼らは怖がって逃げてしまう。なぜなら、一つはタスクが多く感じるから、もう一つは他人に自分がフェミニスト的なものだと、思われたくないからではないでしょうか。

社会のメンバーとして、責任を持って一緒により良い社会をつくる必要があります。だからこそジェンダーは興味深いものでもありながら、時には誰かの行動や考えを制限するものでもあります。私達ができることは、全ての人々が意見を発信することができるよう、促すことではないでしょうか。

女性が権限を持つことの利点は、なんでしょうか?

女性が、子育てをしながら、マネージャーや上司、大統領になることができれば、どのようなことが起きるのでしょうか?ヒラリー・クリントンを、そしてほとんど政治家といってもいいでしょう、彼女の娘のチェルシーをみてください。アメリカ大統領選でも見られた様に、ヒラリー・クリントンのような女性を恐れる男性はたくさんいます。ですが、アメリカに住む多数の人は女性がこの大統領選を勝つべきだと考えていました。なぜなら、彼らは彼女が大統領になるメリットを理解し、そして彼女自身が能力のある女性だけでなく、彼女が女性という人生を生きてきたからです。

クリントン氏が女性としての人生を生きてきたというのは、周縁化され、自信を奪われることがどういうことか、知っているし体験したことがあるということです。そしてその経験を通じて、人々と共鳴し、繋がることができるということです。女性であることだけでなく、この周縁化されたことが重要なのです。

そして、女性は子供達を、戦争に行く息子達を、いつの時代も見守ってきました。そのような彼女達が周縁化されることは、私にとって理解しがたい現象です。でも、それが現実なのです。だからこそ、女性が元の力のある居場所に戻るために、そして均等を作り出すために行動することは、女性を男性と同じ立場に持ち上げるだけの為ではありません。女性にしか社会に貢献できないことがある為です。

ですが、これらの行動が女性だけの手によって行われてしまうと、効果が出にくいです。そのため、男性を含むことが必須です。その際に、この課題が男性にも影響すること、そして女性リーダーの力が増えることが、男性に利益をもたらすことを伝える必要があります。「平等」は、男性の皆さんにとっても、心地よい環境を作り出すことができます。常に緊張することもなくなり、お互いを殴りあうことも、戦争で戦うこともなくなります。平和、環境、そして女性を囲む社会構造の為に、女性が簡単に意見を発信しやすい環境を作ることができるのです。

女性がより強くなり、女性であることに誇りを共に持ち、意見を自由に発することができるようになることがもたらすメリットは、数え切れないほどあります。男性にとっての利益も、もちろん含めて。女性が、装飾用の小さな花として男性を補佐するのではなく、より大きな場面の一部となること。そして、女性が社会で存在感をだすことが重要です。これこそが大きな違いを生み出すのです。そして、女性が馬鹿らしい「男らしさ」の一線で押さえつけられている現状も、知る必要があります。男性が、ジェンダームーブメントに参画する利点に気付き、それが平等の為であっても、LGBTQのテーマを可視化する為であっても、参画することでどういう結果が得られるか、彼らは見る必要があります。何が起きるか見えないまま、ジェンダーや男女参画のアイディアを伝えることは、とても難しいでしょう。ムーブメントに参画することによって、素晴らしい結果が待っていることを、可視化することが大切です。

私は女性リーダーに限定して、話している訳ではありません。異性愛者の男女関係で、女性がリードすることが許される状況が、期待されているのです。そうなれば、様々なことが素晴らしくなるでしょう。社会が、今よりも理解しやすくなると思います。

(左からLIWメンバー川本江梨香、LIWメンバー本澤新菜、グレッグ・ドボロザーク教授、LIWメンバー二宮りさこ)

(左からLIWメンバー川本江梨香、LIWメンバー本澤新菜、グレッグ・ドボロザーク准教授、LIWメンバー二宮理沙子)

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